2010/05/08

音の記憶

少し風邪気味です。
体調管理はしっかりしないといけませんね。

さて、ゴールデンウィークも終わりましたね。
五月病とかなっちゃいかんですよ。

ゴールデンウィークは関係無しに、コツコツ生活費を稼いでいたわけですが、一日だけ休みでした。

レッスンのつもりが、教室自体が休みで一日休み。
せっかくなので、夜に映画を見てきました。

見たのは、アリス・イン・ワンダーランド。
独特なダークな仕上がりながら、さわやかな気持ちで見れる作品だと思います。
さすがディズニー、良く出来ています。

もちろん、アイマックスシアターにて、3Dとダイナミックなサラウンドを堪能しました。


音の臨場感というのは、大きな差ですよね。
人間の聴覚というのは、視覚では感じられない距離感や、空気感を感じ取れるものですから。



後ろから車が来た。あぶない!


と気が付くのは、もちろん視覚じゃないわけです。

聴覚が、目では見えない空間認知能力で補っているわけですね。


さらに、ものすごく遠くの音、ものすごく繊細な小さな音も、耳は聞き分けられます。

静かな森に行けば、歩いた昆虫が揺らした落ち葉の音も聴こえます。
胸に耳をあてれば、心臓の音が聴こえます。
指で耳をふさげば、ゴーッといいます。これは、手や腕の筋肉の音だそうです。

僕らが思っている以上に、聴覚はたくさんの音を拾い続けています。
それも、24時間ずっと拾い続けています。死ぬ直前まで、聴覚は残るそうです。



見るまで否定的だった3D映像は、思った以上にすばらしいものでした。
しかし、これに付いてくる音が、携帯のスピーカーからの音だったらどうでしょう?


しょぼ!!


って思います。
みんな思います。
絶対思います。

360度、ある程度の距離感を感じ取る事が出来る聴覚が、携帯のスピーカーから鳴る音に満足出来るはずがありません。

もし、気にならないと思うという人がいるならば、「それでもいい。みれたらいい。」という気持ちが、聴覚の能力、可能性を奪っていますよと、忠告しておきます。



さて、ここで再び車が来ます。

あなたは、友達と話しながら道を歩いているとしましょう。
すると、後ろから車がパッパー!!とクラクションを鳴らしてきました。
あなたと友達は、道路の端によけようとしますね。
この時、一度車の方を見ると思います。

なんか変な音がしたから振り向きますか?
車がクラクションを鳴らして来たから振り向きますか?

これは、後者なはずです。


さて、ここで問題です。
その音が「クラクション」「後ろから車が来た音」と判断出来たのはなぜでしょう?



聴いた事があるからです。
それだけです。

聴いた事があるから、判断出来ます。
記憶にあるから、車のクラクションと言えば、あの音なわけです。

また逆に、記憶にない音は判断出来ません。

そしてさらに、あなたが「聴いた事のある音」と記憶してるのと、「これは車のクラクション」と記憶してるのでは、感じ方は違います。

・「聴いた事のある音」という認識
何の音かわからないので、目で物体を確認、または無視する。

・「車のクラクション」という認識
うるさいなー。または、注意されてる。で、物体を確認。

という差がでますね。


『「それでもいい。みれたらいい。」という気持ちが、聴覚の能力、可能性を奪っている』
というのは、ここです。


はい、ここで再びサラウンドの話に戻ります。
長くなってごめんなさい。


映画館では、あなたの音への記憶力が明確であればあるほど、臨場感が生まれます。
360度、目の見えない部分にまでダイナミックな世界がそこに広がります。

音への記憶が曖昧だと、何となく映画の世界が広がります。
目の見える120度以外は、だいたいで広がります。


目に映るものを注意深く見てるだけでは、映画すら面白さ半減です。


オーディオの性能だけではありません。
データのサイズだけではありません。

音は平等です。音が出た瞬間、音波である限りは誰にでも平等です。
でも、音を感じるという事は個々に差が出ます。
音の記憶がそれぞれ違うからです。


日々、24時間、死ぬまで蓄積されていく音の記憶を大事にして下さい。
日常の些細な音に耳を傾けてみて下さい。
目に映るもの以外を、もっと感じてみて下さい。


それだけで、映画だけじゃなく、音楽も、街の音も、生活音も、日常のすべてがもっと華やかでダイナミックな世界に変わると思います。


というわけで、僕がいかに音にこだわっているかという事はともかく、
映画も人生も、日々を楽しみたいなら音を聴く事から考え直すだけで、世界は変わるんです。
という事を伝えたかったんです。


あ、本とか教材とかの販売目的じゃないですよ(笑)

見えないからこそ面白い、音の事。
また、気分が乗った時に書いていきたいと思います。

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